共有件数の多い、ケガ・病気のご報告

1位 膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼

最も共有数の多いケガ・病気は膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)です。
ワンちゃんのひざにあるお皿のような骨(膝蓋骨)が正常な位置から内側、または外側に外れてしまう状態となり、無症状から歩くことが困難な状態まで、様々な症状があります。

マイカルテの項目にある[病状を初めて確認した時の状態]では、「急に足を挙げて歩くようになった」、「だっこすると悲鳴をあげるようになった」など、突然症状が現れる場合が多いようです。
治療を終えたみなさまの、今の再発予防としては、「床がすべらないように絨毯を敷く」、「ジャンプできないようにケージに屋根をつけた」、「ソファーに自分で上り下りさせないようにしているなど」、膝に負担をかけないような生活に変えていることがわかります。


以下のフロー図は、マイカルテの情報を分析して作成しています。左から矢印に沿ってご覧ください。
発症には2つのパターンがあるようです。


1つは、突発的に発症する場合です。「急にうずくまる」「悲鳴を上げる」「足を引きずる」などです。さらに分析を深めると、発症した原因行動が明確に特定できる場合(例えば、「ジャンプした瞬間に」「足を滑らせた時にギャン」)と、原因行動の特定まではできないものの、例えば、「散歩から帰ると足を引きずっていた」など、発症を最初に確認した時の行動が特定できる場合があります。

一方で、突発的な発症ではなく、すでに膝蓋骨にゆるみがあるこをと知っていたので、ケアを開始しているパターンもあります。こうした継続的発症の場合には、家族が異変に気づく場合と、動物病院で先生に教えてもらう場合があるようです。
治療方法には、手術、応急処置として膝蓋骨を正常な位置に戻す、経過観察(日々の生活の中でケアをする)の3つがあります。そして、大きな特徴として、膝蓋骨脱臼を経験したほぼすべての飼い主は、再発防止に取組んでいることが挙げられます。環境・飼い主・どうぶつの軸ごとに、そして相互作用を考えながら取組んでいます。

膝蓋骨脱臼分析フロー図
  • 小雪ちゃん小雪ちゃん
    散歩から帰ると足をケンケンして歩くようになりました。
  • ポロンちゃんポロンちゃん
    お散歩中に左の後足を挙げて歩いていました。
  • ルフトちゃんルフトちゃん
    再発防止策として、行動範囲のフローリング部分にカーペットを敷きつめました。
  • ひなたちゃんニコルちゃん
    春ごろから露骨に右足の脱臼がわかる程度にカコンとしました。

2位 外耳炎

外耳炎

2位は、外耳炎です。

右の図にわんちゃんの耳の構造を示しています。耳(耳介)と耳の穴(外耳孔)から鼓膜まで(外耳道)の全体を外耳(がいじ)と言い、この外耳部分の皮膚に炎症が起こることを外耳炎と言います。
病状を初めて確認した時の状態は、「耳を触るのを嫌がる」 、「耳をかゆがる」、「耳が臭い」などが多いようです。 また、耳の痒みや痛みのために、ワンちゃんが首を振ったり傾けたりする仕草や、後肢で耳を引っかく仕草もみられます。


原因としては、湿気や異物、細菌、真菌、耳ダニなどの寄生虫、アレルギーなどが考えられます。また、発症には体質や犬種的素因(垂れ耳である、耳道に毛が多いなど)なども大きく関係しています。


予防の方法としては、耳の状態(穴の中まで)をこまめにチェックする、耳や手の周りをとにかく清潔にするなど、耳のケアを継続することがポイントのようです。

  • テンちゃんテンちゃん
    首を振ったり、足で掻いたりしていました。
  • ちぃちゃんちぃちゃん
    耳が臭いのと、ずっと痒そうにしていて首を振ったりと様子がおかしかったです。
  • エルちゃんルフトちゃん
    耳を痒がり、臭いもしていました。同じような症状が出たり治ったりを繰り返しています。
  • シロちゃんシロちゃん
    散歩中でも、家にいても頻繁に頭を振ったりブルブルをしていた。

3位 椎間板ヘルニア

 3位は椎間板ヘルニアです。

症状を初めて確認した状態としては、「下半身が硬直していた」「震えていた」「足を引きづっていた」「抱っこしたら悲鳴をあげた」など、突発的な発症が多いようです。


下図のとおり、椎間板は脊椎の椎体間に存在し、それぞれの椎体を連結し背骨の動きを滑らかにしています。椎間板の中心にはゼリー状の髄核があり、その周囲を繊維組織でできた繊維輪が取り巻いています。 背骨に外力が加えられたときには、この髄核と繊維輪がその圧力を吸収しています。この椎間板に変性が生じ、その内容物が突出することにより脊髄を圧迫・障害し、さまざまな神経症状をひきおこすのが椎間板ヘルニアです。
治療には内科的治療と外科的治療があります。


内科的治療は麻痺を伴わない、比較的軽度な症状の場合に行なうこと多く、ケージレスト(ケージなどに入れ安静にして運動制限をさせること)を行い、ステロイドなどの消炎剤の投与やレーザー治療を行ないます。


外科的治療は内科的治療で改善が見られなかった場合や初期症状の段階で麻痺が見られるような重症例で行なわれます。術後は、リハビリを必要とすることが多く、屈伸運動やマッサージ、器具を使った運動など、獣医師の指示を受けながら取組みます。


再発防止策としては、「体重のコントロール」、「激しい運動をひかえる」、「階段・ソファーなど段差の飛び降りをさせない」、「フローリングだったところにもカーペットを敷き詰めた」など、足腰に負担が少ない生活環境づくりを心がけているようです。

椎間板ヘルニア
  • マッシュちゃんマッシュちゃん
    抱っこした際に「キャーン」と悲鳴のような叫び声をあげ、その後、動かず体に震えがありました。
  • ANDYちゃんANDYちゃん
    外出先から戻った時には下半身麻痺状態でした。痛みのせいか、首を上げ体が硬直していました。
  • ロンちゃんロンちゃん
    朝、小さい声で「クーン クーン」と甘え時に出すような声で鳴いていました。
  • プリンちゃんプリンちゃん
    朝から落ち着きがなく、すぐに座り込んでました。背中の下の方を触ると「キャン」と鳴きました。

3位 異物誤飲

同数3位は、異物誤飲です。

誤飲とは、本来食べるものではない〝モノ″を飲み込んでしまう事故です。例えば、焼き鳥の串、飼い主が服用する錠剤(お薬・サプリメント)、おもちゃ、タオルなどの布製品など、多種多様な〝モノ″を飲み込みます。フォークやナイフなど鋭利なもの、タオルや紐など胃や腸で絡まる恐れがあるものを誤飲した場合などには、死に至る場合もあるとても危険な事故です。再発性も高く、繰り返し誤飲する子も少なくありません。


マイカルテを分析しますと、誤飲には、①家族と一緒にいる時に誤飲したケースと、②留守中など、単独で誤飲したケースに分けられるようです。単独の場合は、誤飲の現場を誰も見ていませんので、症状を初めて確認した状態としては、「食欲がなくなった」「嘔吐するようになった」「尿が茶色になった」など、すぐに誤飲とは気がつかないような様々症状で通院し、病院に行ってから発見される場合が多いようです。処置の方法としては、催吐処置(異物を嘔吐させる処置)や内視鏡による除去、もしくは胃切開などの外科手術などがあります。


下図は、誤飲の発生状況を区分したものです。まだ仮説ではありますが、発生状況によって、誤飲する〝モノ″の傾向が把握できる可能性があります。また、誤飲する原因も究明できるかもしれません。アニコムグループでは、こうした誤飲防止の取組みとして「STOP誤飲プロジェクト」をスタートしていますので、こちらもぜひご参照ください。

誤飲の発生状況
  • VANILLAちゃんVANILLAちゃん
    食に対して執着するほど食欲旺盛だったのに、突然、食事をみても食べなくなり、嘔吐をするようになりました。
  • まりもちゃんまりもちゃん
    部屋の片づけをしている最中に爪楊枝の束を食べていました。
  • マールちゃんマールちゃん
    それまで遊んでいた猫じゃらしが異常に短くなっており、その破片が見当たりませんでした。
  • ラムちゃんラムちゃん
    元気がなく、ぐったりして、食事をしなくなりました。

5位 アレルギー性皮膚炎

5位は、アレルギー性皮膚炎です。

症状を初めて確認した状態としては、「かゆがっている」「皮膚が赤くなって、毛が薄くなり始めた」「発疹ができて、抜け毛が増える」などがあります。アレルギー性皮膚炎は、アレルギー症状を起こす原因物質であるアレルゲンによって、ワンちゃん体内の免疫機構が過剰に反応するため生じる皮膚炎のことをいいます。アレルゲンの種類にはノミやハウスダスト、花粉や食物などがあります。 かかりつけの先生とよく相談しながら、根気強く治療をしています。

  • BuddyちゃんBuddyちゃん
    食に対して執着するほど食欲旺盛だったのに、突然、食事をみても食べなくなり、嘔吐をするようになりました。
  • あずきちゃんあずきちゃん
    部屋の片づけをしている最中に爪楊枝の束を食べていました。
  • solaちゃんsolaちゃん
    それまで遊んでいた猫じゃらしが異常に短くなっており、その破片が見当たりませんでした。
  • ルーニーちゃんルーニーちゃん
    目の周り、あごのあたりなどをよく掻いていてだんだん赤くなり毛が薄くなってきていたので異常を感じました。

5位 骨折

同数第5位、骨折の発生状況としては、「いつも座っているイスから降りた時に」「来訪者にびっくりして飛び降りて」「階段を踏み外して」など、通常の環境において、ちょっとしたはずみで発生することが多いようです。年齢では、やはり0歳の子が圧倒的に多いことから、飼い始めの1年は特に注意が必要です。

  • マロンちゃんマロンちゃん
    30センチくらいの高さの椅子から飛び降りてしまい、前足がぶらぶらしていました。
  • 進ちゃん進ちゃん
    椅子から飛び降りた時に、ものすごい声でギャーギャーという叫びのような鳴き方をし、足をつけなくしてました。
  • あんこちゃんあんこちゃん
    いつもは軽々と飛び降りているソファから家族の帰宅に興奮し着地失敗。悲鳴を上げて動けなくなってしましました。
  • カイちゃんカイちゃん
    横になっている状態から立ち上がって歩き出す時に、右の前足の動きが少しビッコをひいているようでした。

5位 尿石症

同数5位は、尿石症です。


症状を初めて確認した状態としては、犬では「尿の回数が増える」「最初のおしっこが出にくい」「血が混じっている」「いつもと匂いが違う」などです。猫の場合には、「血尿」「トイレで鳴くようになる」「トイレの回数が多い」「トイレに出たり入ったりを繰り返すが、尿が出ていない」「排尿の姿勢をとるが、尿が出ていない」など、初期の症状は犬と似ているようです。トイレの異変に気が付いたら、なるべく早く病院に連れていってあげましょう。

  • グゥちゃんグゥちゃん
    お散歩のときに、排尿姿勢をとっていても尿がでませんでした。
  • ちょこちゃんちょこちゃん
    血尿が出てストラバイト結石と判明しました。
  • グレンちゃんグレンちゃん
    何度もトイレに出入りして、少量のおしっこをし始めました。
  • まめちゃんまめちゃん
    尿に血が混じっていました。