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検査について知ろう(4) <アレルギー検査>

アレルギーとは、体内に侵入してくる病原体などの異物を攻撃する免疫系が不適切に働いてしまい、特定の物質(抗原・アレルゲン)に対して過剰に反応を起こし、局所的あるいは全身的に、自身の体に障害を与えてしまうことをいいます。
近年、アトピーや食物アレルギーといったワンちゃんやネコちゃんのアレルギー性疾患が増えてきているといわれていますが、アレルギー疾患の管理をするためには、原因となっている物質(アレルゲン)が何であるかを特定し、アレルゲンとの接触を極力避けるようにすることが必要です。
アレルゲンを特定するため、動物病院では次のような検査が行われます。

アレルギー検査の種類

1.皮内反応試験
どうぶつの皮膚に、アレルギーの原因となっている可能性が高いと考えられる物質を、それぞれ少量ずつ注射します。15分ほどしてアレルギー反応が起こると、注射した部位が赤く腫れます。この反応の有無により、どの物質に対してアレルギーを持っているかを把握します。
どうぶつの皮膚を通して、アレルギー反応を、直接目で見て確かめることができるという利点がありますが、毛を刈った皮膚の複数個所に注射を行い、傷みを伴うため、基本的には鎮静処置が必要です。また、試薬の入手や技術的な観点から、実際に行われている動物病院は限られています。

2.アレルゲン特異的IgE検査
ハウスダストや花粉といった環境中のアレルゲンを特定するため、現在もっとも一般的に行われているのが、アレルゲン特異的IgE検査です。
IgEは体内で作られる抗体である免疫グロブリンの一種であり、花粉症、気管支ぜんそく、アトピーなどのⅠ型アレルギーと呼ばれるアレルギー反応に最も深く関わっています。
Ⅰ型アレルギーは即時型アレルギーともいわれており、アレルゲンが体内に入ってきてから発症するまでの時間が短いのが特徴で、15分くらいとされています。

また、IgEは、それぞれのアレルゲンに対して特異的に作られ、アレルギー反応を起こします。この特徴を利用し、「スギ花粉に反応するIgE」、「ハウスダストに反応するIgE」・・・というように、何の物質に対するIgEが増えているかを調べることで、アレルゲンとなっている物質を特定するのが、アレルゲン特異的IgE検査です。
血液を用いて調べますので、必要な処置は採血のみで行うことができます。

3.リンパ球反応試験
どうぶつのアレルギー性疾患で多いものには、IgE抗体を介するⅠ型アレルギーのほかに、白血球の一種であるリンパ球を介して起こるⅣ型アレルギーというものがあります。Ⅳ型アレルギーは、抗体によらないアレルギー反応で、アレルゲン(抗原)が体内に入って反応が完了するまで24時間から48時間程度要します。このため、遅延型アレルギーともいわれています。食物アレルギーにはⅣ型アレルギーが関与しているものが多いといわれていますので、状況等から食物アレルギーが疑われる場合には、アレルゲン特異的IgE検査と併せてリンパ球反応検査を行うことが多くなってきています。

この検査では、血液から分離させたリンパ球を各種の食物タンパクと反応させ、このときのリンパ球の数を測定することで、アレルゲンとなっている食物の特定を行います。
血液を用いて調べますので、必要な処置は採血のみで行うことができます。

4.除去食試験
食物アレルギーが疑われる場合、症状が本当に食物アレルギーによるものかを確かめ、また原因となっている食物を特定するために行います。今まで食べていたフードやおやつなどを一切やめてもらい、アレルギーの原因である可能性のある食材を一切含まない食事(除去食)のみを一定期間(通常1カ月半〜2カ月程度)与えます。
除去食は、獣医師の指導のもと、特別な療法食や家庭調理食などを使用し、それ以外のものはおやつやごほうびなどを含め一切与えることはできません。加水分解したタンパク質を用いたフードや今まで摂取したことのないタンパク質を利用したフード(新奇タンパクフード)などを除去食として使うこともあります。

一定期間、除去食のみを与えたことで症状の改善がみられた場合、それまでに食べていた何らかの食物に対するアレルギーであった可能性が高くなります。アレルゲンとなっている食物を特定するためには、除去食を与えながら、原因となっている可能性のある食物(例えば、鶏肉や牛肉など)を一週間、一種類ずつ与えてみます。
その結果アレルギー症状が起これば、その食物がアレルゲンであると特定できます。実際にどうぶつの反応をみる検査なので、食物アレルギーの診断では最も信頼できます。

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