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うさぎさんの繁殖生理学

【うさぎさんの男の子と女の子の区別のつけ方】

ペットショップのうさぎさんであれば、お家に迎えた時に、すでに性別が分かっていますが、ご自宅や知人のお宅で産まれたうさぎさんや学校の飼育どうぶつの里親としてうさぎさんを迎える場合には、男の子と女の子を見分ける必要があります。特に2頭以上の多頭飼育になる場合には、生後4ヶ月を過ぎると妊娠をしてしまう可能性がありますので、性別を知っておくことがたいへん重要です。
相当に慣れた人であれば生後2ヶ月頃で生殖器の形からうさぎさんの性別の判断も可能ですが、一般的にはとても難しいといわれています。
男の子の場合は、女の子に比べると肛門と陰部の距離が離れていて、陰部の形が丸く見えます。一方、女の子は肛門と陰部の距離が男の子に比べると近く、陰部が丸ではなく、やや細長く見えます。
生後3ヶ月を過ぎると、男の子は包皮をお腹側にやさしく押すことでペニスを確認できますが、やはり慣れていないと難しいので、動物病院などで確認していただくと良いでしょう。
なお6ヶ月を過ぎると睾丸が降りてくるので、はっきりと区別がつきます。

☆うさぎさんの男の子と女の子の見分け方

【うさぎさんの性成熟期とは】

性成熟とは、どうぶつの体が生殖可能な状態になったことをいいます。
うさぎさんの性成熟期は個体差がありますが、男の子で生後6~10ヶ月、女の子で生後4~8ヶ月頃ですが、早熟な場合は3ヶ月くらいで訪れることがあります。
女の子の発情周期は日照時間に左右されるため季節変動はありますが、15~16日間ほどの男の子を受け入れる許容期と1~2日間ほどの休止期を繰り返します。生理の出血などはなく、交尾の刺激により排卵します(交尾排卵動物)。うさぎさんの女の子と男の子を短時間であっても一緒にすると、高い確率で妊娠する可能性があります。特にきょうだいで飼育している場合には、近親交配を起こさないようにするため、3ヶ月くらいには男の子と女の子を分けることが重要です。

【うさぎさんの発情期の行動】

男の子のうさぎさんには発情の周期というものはなく、条件が揃えば発情をします。また、発情した女の子のうさぎさんがその場にいなくても、自分より弱い立場だと認識した男の子のうさぎさんや飼い主さんに対しても発情を引き起こします。発情による行動は個体差もあり、さまざまですが、次のような行動が多く見られます。
◇ぬいぐるみや飼い主さんの腕や足にマウント(背後に乗っかって腰を振る行為)をする
◇スプレー行動(おしっこを飛ばす)をして縄張りを主張する
◇ソワソワして落ち着きがなくなる
◇スタンピング(後ろ足をその場でダンダンと踏みならす)をする
◇肛門脇の臭腺から分泌物を出したり、アゴの臭腺の分泌物をこすりつけたりする

一方、女の子のうさぎさんは、一定の発情周期はあるものの、ほぼ常に排卵可能な成熟卵胞がある状態なので、基本的には年中繁殖が可能です。性成熟に達すると、個体差はありますが次のような行動が多く見られるようになります。
◇ぬいぐるみや飼い主さんの腕や足にマウントする
◇警戒心が強くなり、気性も荒くなる
◇スタンピングをする
◇トイレの掃除のためにケージ内に人が手を入れると攻撃してくるというように、
巣を守ろうとするかのような行動をする
◇肛門脇の臭腺から分泌物を出したり、アゴの臭腺の分泌物を周りの物にこすりつける

【偽妊娠(ぎにんしん)とは】

妊娠をしていないのにもかかわらず、妊娠を維持すために分泌されるホルモンが出続けることにより、あたかも妊娠をしているような様子が見られることを偽妊娠といいます。
野生の状態では、女の子のうさぎさんは年に数回妊娠、出産することでホルモンのバランスを 取っているのですが、妊娠する機会のないペットのうさぎさんは、常にエストロジェンという雌性ホルモンが活発になっています。このように不自然なホルモンバランスになることで偽妊娠の状態となり、次のような症状を示すことがあります。
◇肉垂(にくすい=アゴの下にできる大きな皮膚のヒダ)の毛をむしる
◇むしった毛や牧草を使って巣作り行動をする
◇乳汁の分泌が見られる
◇神経質になる

偽妊娠の状態は精神的に不安定な状態となるため、偽妊娠を助長させないように、また落ち着けるように、うさぎさんの環境を整えてあげることが大切です。
例えば、むしった毛は片付けてしまい、巣作りしやすい場所を作らないようにしましょう。自分の毛を大量にむしるようなら、「牧草を充分に与えてみる」、「気をそらすためにおもちゃを与えてみる」など試してみると良いかもしれません。
ただし、偽妊娠の症状はうさぎさんによってそれぞれです。例えばせっかく作った巣を片付け られると、さらに一生懸命作ろうとするうさぎさんもいます。いろいろ試しながら、その子にあった対処方法を探してあげるようにしましょう。偽妊娠は通常2週間ほどで治まります。

【ホルモンバランスの異常によって起こしやすい病気】

家庭で飼育されているうさぎさんは、エストロジェンが活発になることで、偽妊娠だけでなく、子宮や乳腺の病気の発症も多いことが知られています。例えば子宮腺癌、子宮水腫、子宮内膜炎、嚢胞(のうほう)性乳腺腫などの病気が挙げられます。これらの病気は加齢に伴い発症率が高くなるため、予防のためには2歳くらいまでに避妊手術をすることが推奨されています。
また避妊していない女の子のうさぎさんが偽妊娠の症状を示している場合には、乳腺が異常に 腫れたり、しこりができたりしていないか、あるいは熱をもったりしていないか、お腹が腫れていないか、血尿が出ていないかなど、こまめにチェックしてあげることが大切です。

【うさぎさんの繁殖について】

家で飼っているうさぎさんに赤ちゃんを産ませる場合には、次のようなことをよく検討して、十分な準備をする必要があります。
◇気候条件などを考慮する
一年中繁殖が可能なうさぎさんですが、出産や育児のためには、気候の良い時期が適しています。気候なども考慮して計画的に出産させるようにしましょう。
◇赤ちゃんのうさぎさんを育てる環境を用意しておく
うさぎさんは産子数が多く、数頭から10頭以上産まれることがあります。出産に先立ち、里親として赤ちゃんのうさぎさんを迎えてもらうご家庭を必ず確保しておきましょう。
◇子育てをご家族が代わりにしなくてはいけなくなったときの状況を想定しておく
うさぎさんでは、時折育児放棄が起こることが知られています。そのような場合、飼い主さんが人工保育をする必要があります。このようにお母さんのうさぎさんにまかせるだけでは、赤ちゃんのうさぎさんを育てられない状況になったとき、お世話ができる人がご家族の中にいらっしゃるかを検討しておきましょう。
◇神経質になっているお母さんのうさぎさんを刺激しない
お母さんのうさぎさんは育児中とても神経質になります。赤ちゃんのうさぎさんが触られたり、一緒にいる巣箱を頻繁にのぞき込まれたりして落ち着かない環境になると、育児放棄をしたり、赤ちゃんのうさぎさんを殺したり食べてしまうこともあります。
ご家族に小さなお子様や他のどうぶつがいらっしゃる場合には、うさぎさんにストレスを与えることなく、うさぎさんが安心して出産、育児ができる静かな環境が準備できるか確認しましょう。


(1)妊娠について
うさぎさんの妊娠期間は28日~36日間です。
妊娠したうさぎさんの食欲は亢進し、特に妊娠も後半期になると著しく食欲が増します。
交尾から3週間ほどで、お腹が目立って大きくなります。
出産予定日が近づいてくると、産室に牧草や自分の毛を抜いて巣材にして、巣作りを行うようになりますので、出産予定日の5~7日ほど前には巣箱を用意しましょう。
出産後はもちろんのこと、出産前から神経質になる場合がありますので、なるべく静かにうさぎさんを見守るようにしましょう。

(2)出産について
多くの場合、うさぎさんは夜半から明け方の時間に出産します。出産は通常、安産であることが多いので、うさぎさんまかせです。順調であれば飼い主さんが干渉しないことが重要です。   むやみに手出しをすることは避けましょう。ただ、うさぎさんの品種によっては、難産になりやすいことも予想されますので、家で出産させることを決めた時点で、かかりつけの動物病院さんに相談していただき、万が一のトラブルにもスムーズに対応していただけるよう、充分に準備をしておくと安心です。

(3)産後から離乳まで
お母さんのうさぎさんは、赤ちゃんの存在を周りに知られないよう神経質になっているため、飼い主さんや他のどうぶつが、赤ちゃんのうさぎさんをのぞきこんだり、触ったりすると、お母さんのうさぎさんが赤ちゃんのうさぎさんを噛み殺してしまったり、巣から放り出して子育てを放棄してしまうことがあります。授乳をしているか、赤ちゃんは元気にしているかが、とても気になりますが、産後数日は、できるだけ静かに見守るようにしましょう。
巣に赤ちゃんを産み落としてからは、お母さんのうさぎさんは、授乳時以外、巣に近づこうとしません。お母さんのうさぎさんが育児を熱心にせず放置しているように見えても、授乳はきちんとしており、飼い主さんのお手伝いが不要の場合もあります。特に産後1週間くらいは 巣をのぞかないようにしたほうが良いでしょう。
ただし、そっとお母さんのうさぎさんを刺激しないように注意深く見ていただき、赤ちゃんの うさぎさんが元気なく、お腹の張りがなくお乳が飲めていないようであれば、人工保育が必要な場合もあります。初めての授乳は生後24時間くらいして与えることが多く、30時間が経っても授乳していないようであれば人工保育を考えましょう。飼い主さんが赤ちゃんの様子を見る必要があるときは、お母さんのうさぎさんを巣が視界に入らない場所に連れていき、人の匂いをつけないように注意をしますが、どうしても触る必要がある場合には、素手ではなく手袋をしたほうが良いでしょう。赤ちゃんのうさぎさんは、ほとんど毛が生えてない状態で産まれてきますので、産後数日は低体温にならないように注意してあげることも大切です。かかりつけの先生などに相談しながら、慎重に対応するようにしましょう。

赤ちゃんのうさぎさんは生後10日ほどで目が開き、3~4週くらいすると離乳が始まります。1ヶ月ほどで体もしっかりしてきますが、里親のお宅がうさぎさんにお迎えいただく時期は、体つき、食事のときの様子、元気の良さ、お母さんのうさぎとの関係など総合的にみて2ヶ月齢頃を目安に準備を進めると良いでしょう。特に離乳が完了する前に母親うさぎさんから離してしまうと、消化障害から赤ちゃんのうさぎさんが死亡してしまう可能性も出てきます。
お母さんのうさぎさんが体調を崩さないで十分に授乳ができるように、産後はお母さんのうさぎさんが栄養や水分を十分に摂取できるようにしてあげることも大切です。

【うさぎさんの避妊・去勢手術について】

避妊をしていない女の子のうさぎさんは3?4才になると子宮疾患を起こしやすくなり、7~8歳くらいになると、ほとんどのうさぎさんが子宮の病気にかかります。うさぎさんの性ホルモンによるストレスを軽減させてあげるためにも、子宮の病気を予防するためにも、赤ちゃんを産ませる予定がないのであれば、2才くらいまでに避妊手術をすることが推奨されています。
また、去勢をしていない男の子のうさぎさんは尿スプレー行動が著しく、家の中での飼育が困難である場合や、多頭飼育で同居のうさぎさんとのけんかが絶えずケガをしてしまう場合、避妊を していない女の子のうさぎさんが家にいるが繁殖を望まない時などに去勢手術を検討します。

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