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  • (暮らしの豆知識)

異物を誤飲したときの対処について <お家の外にあるもの編>

お家の中と同様、お家の外にも異物誤飲の原因となるものがたくさんあります。
庭や散歩コースなど、ワンちゃんやネコちゃんの行動範囲に危険なものがないかをよくチェックして、
危険なものには近づかせないように注意をしましょう。
また、日頃から飼い主さんの指示に従う習慣をつけることも重要です。
それでも、実際にわが子が異物を飲み込んでしまったことに気づいた時には、どうしたら良いのでしょうか。
今月は、異物を誤飲してしまった時の症状と対処法、病院で行う処置などについて、
お家の外にあるものを中心にまとめてみました。
なお、個々の状況に応じて対処法や処置などが変わってくる可能性もありますので、
あくまでも一般的な目安としてお考えいただき、具体的には動物病院の先生の指示に従ってください。

症状と対処法等について

1.危険性が高いもの

異物の種類概要・症状/対処法/病院での処置
不凍液
(エチレングリコール)
■概要・症状:
甘い匂いと味がするため、ラジエーターから漏れた液をなめるなど、誤飲が多く見られます。凍らせても固まらないタイプの保冷剤に使われていることもあります。
摂取量にもよりますが、症状は嘔吐、神経症状(抑うつ、運動失調、痙攣)、腎障害、低カルシウム血症などを起こし、死に至る場合もあります。
なお、希釈されていないエチレングリコールの最小致死量はワンちゃんで体重1kg当たり4.2〜6.6mL、ネコちゃんで1.5mLといわれています。
■対処法:
ふらつきなどの症状がすでに見られている場合は、至急、治療をしないと手遅れになる可能性があります。少量であっても誤飲の可能性が疑われる様であれば、すぐに受診をしてください。
■病院での処置:
摂取直後で症状が見られない場合には催吐処置を行います。状況に応じて吸着剤(活性炭など)や下剤、解毒剤の投与、腹膜透析(※)による毒物の除去、腎不全や神経症状に対する対症療法を行います。
※腹膜透析は透析療法の一つで、人工透析膜を 利用するのではなく、自身の腹膜を利用する方法です。
殺鼠剤・殺鼠剤を摂取したネズミ■概要・症状:
殺鼠剤にはいろいろな成分を使ったものがありますが、特にワルファリン、タリウム、メタアルデヒドが多く使われているようです。
殺鼠剤そのものを誤飲すること以外にも、殺鼠剤を摂取したネズミを食べることによっても中毒の危険性があります。
ワルファリンは血液凝固機能を妨げるため、鼻血、血便、血尿など、体の様々な部位からの出血が認められ、貧血や脳出血などにより死に至ることもあります。
タリウムは消化器症状(嘔吐、腹痛など)や神経症状(運動失調や痙攣など)を起こし、大量に摂取をした場合には、呼吸器障害や循環器障害により死に至ることもあります。摂取後1〜2週間くらいで脱毛が起こることも特徴です。
(メタアルデヒドについては「ナメクジ駆除剤」をご参照ください。)
■対処法:
殺鼠剤の商品名・成分・摂取量などを確認し、すぐに受診してください。受診の際には、可能であればパッケージを持参しましょう。
死亡したネズミを食べた際にも、その時点では症状がみられなくても、念のため受診してください。
■病院での処置:
摂取直後で症状が見られない場合には、催吐処置を行います。状況に応じて、吸着剤(活性炭など)や下剤、拮抗剤(※)や解毒剤の投与に加えて対症療法を行います。
※拮抗剤とは、薬物の作用を中和したり、抑制したりする薬物のことをいいます。
ナメクジ駆除剤
(メタアルデヒド)
■概要・症状:
ナメクジ駆除剤は甘い匂いがするため、庭に散布した後にワンちゃんが誤飲する事故が多発していますので注意が必要です。
ナメクジ駆除剤の成分であるメタアルデヒドは毒性が強く、少量摂取でも中毒の危険があります。流涎、運動失調、興奮、呼吸速迫などの症状が見られ、その後、痙攣や発熱、肝障害を起こし、重度の場合には呼吸不全や意識障害によって死に至ることもあります。
■対処法:
ナメクジ駆除剤の商品名・成分・摂取量を確認して、すぐに受診してください。受診の際には、可能であればパッケージを持参しましょう。
痙攣を誘発する恐れがあるため一般には吐かせてはいけないといわれています。
■病院での処置:
胃洗浄や吸着剤(活性炭など)の投与、痙攣を抑える処置などの対症療法を症状に応じて行います。
ヒキガエル■概要・症状:
ヒキガエルの耳下腺や皮膚の毒腺から出る毒液は毒性が強く、死に至ることもあります。毒液をなめたりして、口にすること以外にも、口腔粘膜や皮膚からも吸収されて中毒を起こします。
ヒキガエルの種類により毒性は異なりますが、流涎や嘔吐、頻脈、呼吸速迫、痙攣を起こし、重症の場合には30〜60分で死亡することもあります。
程度の差はありますが、イモリやサンショウウオなど、両生類は全般的に毒を持っていますので、注意が必要です。
■対処法:
ヒキガエルを口にしているのを発見したら口の中を水で十分に洗い、すぐに受診してください。
■病院での処置:
口腔内洗浄を行います。不整脈が起こる可能性があるので、心電図をモニターしながら対症療法を行います。


2.成分・分量によっては危険性が高いもの
異物の種類概要・症状/対処法/病院での処置
肥料■概要・症状:
窒素、リン酸、カリを主成分とする通常の肥料の毒性は低く、少量摂取の場合には、ほとんど症状は見られませんが、大量に摂取すると、嘔吐、下痢などの消化器症状を起こすことがあります。
また、配合されている成分や添加物によっては毒性が強く、中毒症状を引き起こすものもあります。
■対処法:
肥料の商品名や成分、誤飲した可能性のある量を確認、受診してください。
■病院での処置:
成分や摂取量、その他状況に応じて催吐処置や胃洗浄、対症療法を行います。
除草剤・除草剤を散布された草■概要・症状:
経口摂取だけではなく皮膚から吸収されることもあります。また、薬剤のかかった草の上を歩いた後、足の裏を舐めて中毒症状を起こすこともあるようです。
除草剤には有機リン剤、パラコート剤をはじめとして、多くの種類があり、中毒症状を起こすものもあります。
症状は嘔吐・下痢・血便などの消化器症状や痙攣・興奮・運動失調などの神経症状など、成分によって様々です。
■対処法:
誤飲したことに気付いたらすぐに受診して下さい。その際には、成分や誤飲した量を分かる限り確認して、通院の際に伝えます。
散歩の途中などに草を食べてしまい、その後、中毒を疑うような症状が見られた場合にも、すぐに受診してください。
■病院での処置:
摂取した除草剤の成分や量、その他状況に応じて催吐処置や胃洗浄、吸着剤(活性炭など)や下剤の投与、対症療法を行います。


3.状態によっては危険性が高いもの
異物の種類概要・症状/対処法/病院での処置
石・砂■概要・症状:
石の大きさによっては、無症状で経過し、便とともに排出されることもありますが、石が胃内に留まったままになったり、腸閉塞を起こしてしまったりすると、嘔吐、食欲不振、腹痛などの症状が見られます。
砂は通常は便と一緒に排泄されますが、大量に摂取すると下痢などの消化器症状を起こすこともあります。
■対処法:
る程度の大きさのものを飲み込んだ可能性が高いときや、嘔吐等の症状が見られている場合には、すぐに受診してください。飲み込んだものが、ごく小さいもので、特に症状が見られない場合には、便とともに排泄される可能性もありますが、念のためかかりつけの動物病院の先生に連絡して指示を仰ぐとよいでしょう。
繊維質を多めにとらせるようにすると、便のかさを増やし、腸が傷つくのを防ぐことができる場合もあります。また、便をしたら中に石が含まれていないかを排便の度、便をほぐして確認するようにしましょう。
■病院での処置:
X線検査、造影検査、超音波検査などで石を確認します。大きさが小さく、腸閉塞を起こすリスクが少なく、かつ便中への排泄が期待できる場合には、高線維食を摂らせて経過観察を行います。
誤飲した直後であれば、催吐処置や内視鏡による摘出を行うこともあります。
これらの方法での摘出が難しい場合には、開腹手術を行います。
食べ物のゴミ・腐った食べ物■概要・症状:
落ちている食べ物が腐敗していると、食中毒の危険性があります。また揚げ物などの脂分の多い食べ物を食べてしまうと、急性膵炎にかかる危険性があります。いずれも嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状が見られます。
鶏の骨、魚の骨、ようじや竹串などをそのまま食べてしまうと、咽頭部や消化管を傷つける可能性もあります。
また、人が通常食べている食べ物でもどうぶつが食べると中毒を起こすケースもあります。(例:チョコレート中毒、たまねぎ中毒)
■対処法:
どのようなものを、どの位の量、食べてしまったのかを確認します。「大量に摂取している」、「異物、中毒を起こす食べ物などを摂取した可能性がある」、「症状が見られている」というような場合には、すぐに受診してください。
■病院での処置:
食中毒に対しては、必要に応じて輸液療法、抗生剤の投与、対症療法を行います。膵炎が疑われる場合には、膵炎の検査および治療を行います。骨や異物の誤飲では、内視鏡や外科的処置による摘出が必要になる場合もあります。

お家の外にある、その他、中毒の危険性のあるもの

【庭木や植物】
お家の外の樹木や草花にも、ワンちゃんやネコちゃんにとっては危険なものがあります。
お庭やお散歩コースにそのような中毒の危険性のある植物がないかどうかをよくチェックし、危険のある植物には近づかせないように十分注意しましょう。
詳細は次の記事をご参考になさって下さい。

「身近にある危険な植物」

病院へ行く前に

なるべく正確に獣医師に「食べてしまったものがどのようなものか」を伝えることはたいへん重要です。
容袋や容器、同じタイプのものなどがあれば実物を持参するようにしましょう。
また、その後の様子をメモしておき、嘔吐物があれば持参しましょう。

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