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人獣共通感染症  ・ 野兎(やと)病

日本では野生のウサギとの接触で感染するヒトが多く見られたことから、野兎病(やとびょう)と名づけられました。感染は冬と晩春に、北海道・東北・関東地方で見られます。世界的には北アメリカ・北ヨーロッパ・北アジアに広く見られ、野や山で感染することが多く、野兎病患者の発生は散発的に起こりますが流行を示すことがあります。野兎病菌はたいへん感染しやすく、重症の病気を起こし死者を出すこともあります。第二次世界大戦後は、毎年50例以上の患者発生がありましたが、近年、ほとんど報告がなく非常に稀な感染症になっています。


病原体
野兎病菌(Francisella tularensis )


感染経路
感染しているどうぶつとの直接接触や野兎病菌を持ったダニや蚊やハエなどの昆虫に刺されることで感染します。また他の感染源としては,野兎病菌で汚染された草や水,野兎病で死んだどうぶつの死体や臓器などとの接触などもあります。ヒトからヒトへの感染の報告はないと言われています。


症状
ヒト・・・潜伏期間は1~7日です。 初期症状は菌の侵入部位によって異なり、潰瘍リンパ節型・リンパ節型・眼リンパ節型・肺炎型などがあります。皮膚の潰瘍・発熱・悪寒・頭痛・全身の痛み・鼻水・くしゃみ・咳・リンパ節腫脹などが起こり、重症になると肺炎・敗血症・髄膜炎(まれ)などを起すこともあります。
どうぶつ・・・発熱や食欲不振・リンパ節の腫脹、重症では敗血症を起こして死亡することもあります。


治療
抗生剤(テトラサイクリン剤・フルオノキノロン剤・ストレプトマイシンやゲンタマイシン)の投与が有効ですが、ペニシリン系とセファロスポリン系薬剤はこの病気には無効です。野兎病に対するワクチンは日本では使用されていません。


予防
発生地域では吸血昆虫に刺されないような注意が必要です。肌をできるだけ出さないように長袖・長ズボン・手袋などをし、肌が出る部分には人用防虫スプレーを噴霧しましょう。 野生のウサギやげっ歯類などと接触しないようにすることも大切です。また、地面には直接寝ころんだり腰を下ろしたりしないよう、敷物を敷くことも大切です。帰った後はすぐに入浴し、よく体を洗い、新しい服に着替えましょう。


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