高病原性鳥インフルエンザ<鳥>
鳥インフルエンザウイルスは、野生のカモなどの水禽類の腸管に存在し糞を媒介に感染しますが、水禽類が感染しても大部分は病原性を示さないか、示しても病原性が低く、死に至らないのがほとんどです。ところが、感染伝播の過程でインフルエンザウイルスの遺伝子に変異があらわれて強毒性になったり、最初から強毒性のものが存在します。このように「鳥インフルエンザ」と呼ばれるウイルス感染症のうち、感染した鳥に強い病原性を示すものを「高病原性鳥インフルエンザ」と呼びます。
鳥インフルエンザウイルスには様々な型があり、日本では2004年初頭に養鶏場においてH5N1という種類の鳥インフルエンザウイルスが流行しました。また、異なる種類のH5N2ウイルス感染の流行が2005年6月より見られましたが、どちらの流行も制御されています。日本以外で発生した高病原性鳥インフルエンザウイルスにおいて、まれにヒトにも感染することが知られており、その場合強い症状が起こり、ヒトの生活に大きな影響を与えるのことが懸念されています。 高病原性鳥インフルエンザは、動物衛生と畜産の分野で国際的な影響の大きさから、各国で発症後の報告が義務付けられています。
【原因】
A型鳥インフルエンザウイルスに感染することで起こる病気です。鳥同士の感染は、このウイルスに感染している鳥の排泄物や分泌物の摂取や吸引によりおこりますが、このほかにも、排泄物で汚染された土壌・えさ・水からも感染します。感染している鳥の羽や粉末状になったフンを吸い込んだり、感染している鳥のフンや内臓に触れた手を解して大量のウイルスが体内に入った場合にごくまれにヒトへも感染しますが、ヒトからヒトへの感染等については、不明な点がまだ多いようです。
【症状】
鳥・・・ 食欲・飲水欲の低下、下痢などの消化器症状・羽毛逆立・沈うつを示し、産卵を停止します。その後、顔面浮腫・呼吸器症状や神経症状など多様な症状を示し、死亡します。
ヒト ・・・ 突然の高熱、咳など通常のインフルエンザと同様のものから、重症の肺炎、全身症状を引き起すこともあり様々です。
【治療】
鳥・・・鳥が感染した際の治療法は確立されていません。感染が疑われる鳥には触らずに市町村(自治体)・獣医師・家畜保険衛生所・保健所等の公共機関に届け出が必要です。
ヒト・・・抗ウイルス薬の投与や脱水時には点滴による治療を行います。その他、様々な症状に応じて抗生物質などを投与します。
【予防】
ペットとして飼われている鳥さんは、野鳥などとの接触や汚染物質との接触がなければ感染することがありません。感染を防ぐために、鳥さんを屋外で放したり、感染が報告された地区に近づけることは避けましょう。
また、口移しの食事など過の剰な接触をやめ、飼育環境の掃除をこまめにして衛生的にしましょう。鳥さんを触った後は手洗い・うがいをするなどの注意が必要です。なお、鳥インフルエンザウイルスは加熱すれば感染性はなくなり、万一、食品中にウイルスがあっても食品を十分に加熱して食べれば感染の心配はありません。
なお、日常生活の中で、複数の鳥さんが一箇所で死んでいるのを発見した場合は、触らずに市町村・獣医師・家畜保険衛生所・保健所等に連絡をしましょう。






