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権勢症候群(アルファ・シンドローム)

皆さんの中には、アルファ・シンドローム(権勢症候群)という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「何だか恐そう」「症候群とついているから何か病気かしら」・・・・と思っている方もいるかもしれません。
アルファ・シンドローム(権勢症候群)とは、病気や恐い症状を表している言葉でもなく、家族内でのワンちゃんの状態を表す言葉なのです。
このアルファ・シンドローム(権勢症候群)という言葉を手がかりにワンちゃんの習性を通して、人とワンちゃんとのより良い関係を考えてみましょう。


アルファって何?
ワンちゃんがオオカミの末裔であることは、ワンちゃんのDNAからも解明されていますが、
オオカミから受け継いだものは、今なおワンちゃんの内に継承されています。
オオカミは社会性の高いどうぶつで、通常パックと呼ばれる10頭前後の群れで生活しますが、パックの中心となる最も順位の高い雄と雌はアルファ雄とアルファ雌と呼ばれています。
アルファ・シンドロームとは、オオカミの群の中の地位を現すこの用語から類推して名づけられたものなのです。          

このように、アルファとは群の中の一番順位の高い存在を表すことばであり、アルファの重要な役割は、群れを外敵から守り、食料を確保することです。大きな責任を担う分、アルファは群れの中で絶対的な権限を持ち、率いられるメンバーはアルファに絶対服従です。 
 

ワンちゃんの本能、行動と人との関係
ワンちゃんの世界も人の世界と同じように、社会性を持ち群単位で行動します。
また、ワンちゃんが人と暮らす際にも、家族を「.縦一列の群れ」と把握するのではないかといわれており、飼い主さんはワンちゃんに「ワンちゃんがすべてを託すに足りる統率者となること」、「ワンちゃんが群の中のどの位置にいるかを理解させてあげること」が大変重要だといわれています。

ところが、飼い主さんが簡単にワンちゃんの要求をのんでしまったり、対応に一貫性がなかったりすると、「飼い主さんは本当に自分を守ってくれるのかしら?」と思い、ワンちゃんは「自分が皆を守るアルファにならなくてはいけない」と分不相応な仕事をしようと思ってしまいます。この勘違いの心理から生まれたワンちゃんの行動を、「アルファ・シンドローム(権勢症候群)」と呼びます。


ワンちゃんの中には「支配しよう」という権勢本能と、「守られたい」という服従本能の両方が存在し、周囲の状況を反映しながら拮抗します。
服従本能を大きく育てることが人との暮らしの中では大変重要なのですが、このためには、ワンちゃんが「すべてを委ねても大丈夫」「うちのリーダーは何て信頼できるんだ」という思いを抱くよう、人もワンちゃんを守ることにおいてリーダーとしての強い責任感を果たしていくことが重要です。 ワンちゃんがアルファでないことを教えるためには、人が頼もしい存在であることが必要なのです。

具体的には、飼い主さんはワンちゃんの要求をのむのではなく、ワンちゃんに飼い主さんの指示にしたがうことで、よいことが得られると思わせることが重要です。ワンちゃんはソファの足元か端っこに座る、というように、良い場所をワンちゃんに譲らないことなども大切です。また、見晴らしのよい窓から外を見下ろしていると、何だか自分が家族を率いているような気分になるかもしれませんから、あまり高くて見下ろす位置にはワンちゃんを上がらせないようにしましょう。


また、飼い主さんの態度も重要です。ワンちゃんが不安なときにはたいていワンちゃんはチラリと飼い主さんを見ますが、そんなときに飼い主さんのゆったりとした落ち着いた態度は大きな安心感を与えます。また、飼い主さんは日頃ワンちゃんには「何をしたらいけないのか」、「何をしたらいいのか」を分かりやすく伝えてあげましょう。率いられているという安心感のもと、快適に過ごせる空間をワンちゃんに用意してあげましょう。

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