動物の愛護及び管理に関する法律 <犬>
きらめく命を有する動物は、人の社会に温もりや癒しを与えてくれます。
この数十年で動物を取り巻く社会情勢は、どんどん変化を遂げています。
このような社会の変化に伴い、法律にも変化が現れてきています。
動物の愛護及び管理に関する法律
昭和48年に制定された「動物の保護及び管理に関する法律」(動管法)が、
平成11年に「動物の愛護及び管理に関する法律」(動愛法、以後、動愛法と呼びます)に名称を替えて大幅に改正、また平成17年には一部、改正されました。
・動愛法の目的は?
動愛法の第1条を見てみましょう。
(目的) 第1条 この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする。
すべての動物の飼養に関して、「虐待防止」、「適正な飼養と愛護」「動物による危害の防止」の三つを目的として作られた法律なのですね。
次はおおまかに、動愛法の内容についてご説明いたします。
①基本原則
動物を虐待などで苦しめることのないようにするだけではなく、人が動物を飼うときにはその習性をよく知り、適正に扱うことが大切です。
②対象となる動物とそれぞれについてのガイドライン
家庭動物・・・家庭で飼われているペットから学校飼養動物まで
含まれます。
展示動物・・・動物園やふれあい施設、ペットショップやブリーダ、
動物プロダクションなどまで、広い範囲の動物が
対象となります。
産業動物・・・牛や鶏などの人が営む産業利用のため飼われている動物
※教育や試験研究など、科学上の利用を目的として研究施設で飼養されている実験動物に
関しても、できる限り動物を使わないようにする、できる限り動物に苦痛を与えない
方法で扱うように配慮することが求められます。
③飼い主の責任
命あるものを預かる人としての責任を果たすことが求められます。
動物の種類や習性に応じた飼育を適正におこない、動物の健康と安全を
守る責任を担うのが飼い主です。また、飼っている動物が他に危害を与えたり、糞尿や毛などで周囲に迷惑を及ぼさないようにすることが求められます。
また、飼い主の責任として、むやみに繁殖をさせないよう不妊去勢手術を適正に行うこと、動物同士や人と動物との間で感染する病気を適正に予防すること、自分の所有する動物であることを明らかにするため、マイクロチップなどの標識を付けることなどが求められます。
④周囲の生活環境への心配り
管理できる範囲を超えて飼養し、悪臭や騒音などで周辺の生活環境が損なわれている場合、都道府県知事や政令市の長が飼い主にたいして改善勧告・命令を行います。
⑤動物取扱業の規制
動物取扱業を営むときには、適正に動物を扱うための基準を満たした上で都道府県に登録をする必要があります。また、都道府県知事等の動物愛護担当職員が立ち入り検査を行い、問題点が見出される場合は、都道府県知事や政令市の長は改善勧告や改善命令を行います。また悪質な業者に対しては、登録の拒否や取り消し、業務停止命令を行います。登録をしないで営業した場合や改善命令や業務停止命令に従わない場合は、30万円以下の罰金、登録内容の変更を届け出なかったり虚偽の報告をしたりした場合は、20万円以下の罰金が科せられます。
⑥危険な動物の飼養規制
国(政令)は人に危害を与える恐れのある危険な動物などを「特定動物」として規制をしています。これらの「特定動物」を飼うときは都道府県等の許可を受けなければなりません。守るべき基準が守られていない場合、許可は取り消されます。また無許可で「特定動物」を飼養したり、許可を得ないで飼養施設を移動、あるいは構造を変更した場合には、6か月以下の懲役あるいは50万円以下の罰金に処せられます。
※1 守るべき基準は次のように定められています。
・飼養施設の構造や規模に関して
一定の基準を満たした、おり型施設などでの飼育保管が必要です。
また、逸走を防止できる構造や強度が必要です。
・飼養施設の管理方法について
定期的に施設を点検するなど、しっかりとした管理が求められます。
また、特定動物を飼育しているということが分かるよう標識を掲示します。
・管理方法に関して
施設の外で飼養しないこと、またマイクロチップを挿入することで個体識別ができるように
することが必要です(鳥類は脚環でも可)。
※2 特定動物って?
トラ、タカ、ワニ、マムシなど哺乳類、鳥類、爬虫類の約650種が対象となります。
⑦虐待や遺棄の禁止
愛護動物を虐待したり捨てたりすることは犯罪です。
違反した場合の処分は以下のように定められています。
・愛護動物をみだりに殺したり傷つけたりした者には、1年以下の懲役あるいは100万円以下
の罰金
・愛護動物の適切な世話を怠り衰弱させるなどの虐待を行った者や愛護動物を遺棄した
者には、50万円以下の罰金
※1愛護動物とは、飼い主の有無に関わらないすべての「牛、馬、豚、めん羊、やぎ、
いえうさぎ、鶏、いえばと、あひる」、ヒトに飼われている「哺乳類、鳥類、爬虫類」を
指します。
※2動物虐待とは、動物を不必要に苦しめる行為をすべて含みます。この中には必要な世話
を怠ったり、ケガや病気の治療をせずに放置したりする行為だけではなく、充分な世話を
しない「ネグレクト」などと呼ばれる行為も含まれます。
⑧ワンちゃん、ネコちゃんの引取り
都道府県はワンちゃんやネコちゃんの所有者からの引取りを行い、また飼い主の分からないワンちゃんやネコちゃん、公共の場で病気や怪我をして発見されたワンちゃんや ネコちゃんを収容します。
⑨動物愛護週間と普及啓発
国や地方自治体は学校や地域、家庭などへの教育活動、広報活動を通じて動物の愛護と適正な飼養の普及啓発を行います。また、毎年9月20日から26日を動物愛護週間とします。
⑩国・地方自治体の取組み
都道府県は、国が決めた基本指針に沿った、かつ地域の状況に即した計画を推進します。また、都道府県知事や政令市の長は動物愛護推進員を委嘱し、その活動を支援するための協議会を組織することができます。
家庭動物等の飼養及び保管に関する基準
「動物の愛護及び管理に関する法律」第7条の4項から、環境省告示として
「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」が定められています.
ここでは、ワンちゃんの飼養及び保管に関する基準として次のように6点が
求められています。
①ワンちゃんを放し飼いにしない
②けい留する際は、道路に接しないようにする
③人に迷惑をかけないように適切なしつけを行う
④運動させる場合は、場所や時刻などにも心配りをする
⑤やむを得ず飼養できなくなった場合は、次の飼い主を探すなどの手段を講ずる
⑥特別な場合を除き、子犬を離乳前に譲渡しないようにする
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