吠える その1
ワンちゃんは、何を伝えようとして、吠えているの?
ワンちゃんが吠えている原因を探ることが、問題解決のために重要です。
たとえば、何かを要求して吠えている子に、要求しているものを与えていたら、ワンちゃんはいつまで経っても吠えることを止めません。解決のためにも、ワンちゃんの吠えているときの状況を落ち着いて把握してみることが大切です。
来客時に吠える場合
考えられる原因
1. 自分の縄張りが侵されると思い、「来るんじゃない、 大変だよ! 変な人が来るよ」と、飼い主さんにしらせるために吠えているのかもしれません。
2. ワンちゃんには「家族を群れと考える」という特性があり、家族をリーダーとして信頼し、自分が群れの最下位であることで安心をします。しかしながら、ワンちゃんが「自分の方がリーダーだ」と思ってしまった場合、「リーダーとしてみんなを守らなくては」と頑張り、吠える事で危険を家族に伝えようとします。
3. 飼い主さんが「吠えちゃダメよ」などと、叱るつもりでワンちゃんに声を掛けているのに、ワンちゃんは「応援してくれている」と勘違いしてしまい、かえって吠えることを助長させてしまっているかもしれません。
4. ワンちゃんがインターフォンの音など特定の音を聞いたときに吠えるのであれば、「その音を聞く=吠える」という回路がワンちゃんの中にできてしまっているのかもしれません。
1.~4のそれぞれの原因に対して、どんな対応がしたらいいのだろう
【1. 2. に対して】
ワンちゃんは皆、「これ以上近づかないで・・」という「距離=縄張り」を持っており、この距離の長短は、それぞれのワンちゃんの性質や過去の経験などによって異なってくるようです。この距離が短いワンちゃんは吠えやすい傾向にあるといえるかもしれません。縄張り意識を持つのはワンちゃんの習性ですが、縄張り意識を弱め、距離を狭めていくことは可能です。縄張り意識を弱めることにより、吠える頻度を減らしていきましょう。
(1)「リーダーは飼い主さんなんだ」「飼い主さんに守られているんだ」と ワンちゃんに認識させてあげることは飼い主さんへの信頼感につながり、「大丈夫さ、リーダーがいるんだもん」という気持ちが芽生え、良い方向に変わることも多いようです。飼い主さんは、日常の生活でワンちゃんに対して毅然とリーダーらしく接するようにしましょう。
具体的には、「要求をのまない」、「リーダーらしい毅然とした態度で接する」、「しっかりコミュニケーションをとる」「褒める時、いけないことを伝える時はメリハリをつけて対応をする」などを心掛けましょう。またワンちゃんが吠えているときに、飼い主さんがアタフタした様子を見せないことも大切です。
(2)来客のふりをした飼い主さんが、インターフォンを鳴らして家に入るのを見たら、身構えたワンちゃんは拍子抜けして、吠えていたことを気恥ずかしく思うかもしれません。また、ワンちゃん好きな方にお願いできるようでしたら、来客のふりをしてインターフォンを鳴らしてもらい、吠えたワンちゃんにおやつを与えてもらうのもよいでしょう。「来客=外敵」ではないことや「人と会えば良いこと が起きるんだ」とワンちゃんは学習します。
(3) インターフォンが鳴って、「吠えそうだな」という、まさにその時、飼い主さんは ワンちゃんに「座れ」の指示をして、座ったら「お利口ね」と褒めてあげましょう。
ワンちゃんは一度に 2 つ以上の事はできないといわれており、お座りをすることで吠えることを忘れてしまう場合があります。指示の言葉は低く強いトーンでリーダーらしく発することが重要です。吠えなければ大げさなくらいに明るい声で褒めてあげます。
「来客」と「吠えること」が今はワンちゃんの中で連動しているのですが、「来客」と「指示にしたがうこと」と「ご褒美」の三つをワンちゃんの中で連動させてしまいましょう。
(4)ワンちゃんがいつも過ごす場所からご近所の様子が丸見えであったり、ワンちゃんが高窓から外を見渡していたりするような状況は、まさしくリーダーが家族のために見張り番をしている様子そのものです。ワンちゃんにとって高い位置というのは、優位性とつながりがあると言われています。
いつもワンちゃんが過ごす場所から見える景色をチェックしてみて、場合によってはカーテンなどで目隠しをする、高い場所には上がれないようにするなどの工夫をしても良いでしょう。
(5)恐くて吠えている場合には、ケージなど安心して隠れられる場所を用意しておくと良いでしょう。来客の予定があるときは、お客様の様子が気にならない場所でワンちゃんを遊ばせておいても良いですね。
【3に対して】
ワンちゃんが吠えている時に、止めさせようと言葉を掛けすぎないようにしましょう。吠えるワンちゃんに飼い主さんは閉口してしまうかもしれませんが、かえって飼い主さんは平然としていたほうが良いものです。飼い主さんの様子から、「あれ、大丈夫なのかな、平気そうだもん」と安心させてあげられることもあります。
【4に対して】
ワンちゃんが特定のインターフォンの音に反応しているのであれば、インターフォンの音を他のタイプの音に取り替えてはいかがでしょうか。取り替えるのが難しいようでしたら、インターフォンの音を録音して、ボリュームを小さくした状態で音を聞かせながらオヤツを与える方法がよいかもしれません。
「チャイムの音=いいことが起きる」という回路を作り上げていくのですが、ワンちゃんが吠えない状態でフードを与えながら、ボリュームを少しずつ大きくしていきましょう。このしつけをしている期間中は玄関のチャイムを切って、来客にはインターフォンを鳴らす以外の方法を取ってもらうように張り紙をするなどの工夫も良いですね。
吠える その2へ続く






